軍歌集-3

昭和維新の歌    星落秋風五丈原    則天行地    民族の歌

抜刀隊    嗚呼神風特別攻撃隊    突撃ラッパ鳴り渡る(一億総蹶起の歌)    憲法改正の歌    君が代    君が代行進曲    元寇    桜井の訣別

軍歌集-1      軍歌集-2      ♪♪♪


  昭和維新の歌
  作詞・作曲:三上卓

汨羅(べきら)の渕に波騒ぎ 巫山(ふざん)の雲は乱れ飛ぶ
   混濁(こんだく)の世に我れ立てば 義憤に燃えて血潮湧く
  
権門(けんもん)上(かみ)に傲(おご)れども
   国を憂うる誠なし 財閥富を誇れども 社稷(しゃしょく)を思う心なし
  
ああ人栄え国亡ぶ 盲(めしい)たる民世に踊る
   治乱興亡夢に似て 世は一局の碁なりけり
  
昭和維新の春の空 正義に結ぶ丈夫(ますらお)が
   胸裡(きょうり)百万兵足りて 散るや万朶(ばんだ)の桜花
  
古びし死骸(むくろ)乗り越えて 雲漂揺(ひょうよう)の身は一つ
   国を憂いて立つからは 丈夫の歌なからめや
  
天の怒りか地の声か そもただならぬ響あり
   民永劫(えいごう)の眠りより 醒めよ日本の朝ぼらけ
  
見よ九天の雲は垂れ 四海の水は雄叫(おたけ)びて
   革新の機(とき)到りぬと 吹くや日本の夕嵐
  
ああうらぶれし天地(あめつち)の 迷いの道を人はゆく
   栄華を誇る塵の世に 誰(た)が高楼の眺めぞや
  
功名何ぞ夢の跡 消えざるものはただ誠
   人生意気に感じては 成否を誰かあげつらう
  
やめよ離騒(りそう)の一悲曲 悲歌慷慨(こうがい)の日は去りぬ
   われらが剣(つるぎ)今こそは 廓清(かくせい)の血に躍るかな

  星落秋風五丈原
  作詞:土井晩翠

祁山悲秋の風更けて 陣雲暗し五丈原
   零露の文は繁くして 草枯れ馬は肥ゆれども
   蜀軍の旗光無く 鼓角の音も今しづか
   丞相病篤かりき
   清渭の流れ水やせて むせぶ非情の秋の声
   夜は関山の風泣いて 暗に迷ふかかりがねは
   令風霜の威もすごく 守るとりでの垣の外
   丞相病篤かりき
   帳中眠かすかにて 短檠光薄ければ
   こゝにも見ゆる秋の色 銀甲堅くよろへども
   見よや侍衛の面かげに 無限の愁溢るるを
   丞相病篤かりき
   風塵遠し三尺の 剣は光曇らねど
   秋に傷めば松柏の 色もおのづとうつろふを
   漢騎十万今さらに 見るや故郷の夢いかに
   丞相病篤かりき
   夢寐に忘れぬ君王の いまはの御こと畏みて
   心を焦がし身をつくす 暴露のつとめ幾とせか
   今落葉の雨の音 大樹ひとたび倒れなば
   漢室の運はたいかに
   丞相病篤かりき
   四海の波瀾収まらで 民は苦み天は泣き
   いつかは見なん太平の 心のどけき春の夢
   群雄立ちてことごとく 中原鹿を争ふも
   たれか王者の師を学ぶ
   丞相病篤かりき
   末は黄河の水濁る 三代の源遠くして
   伊周の跡は今いづこ、 道は衰へ文弊ぶれ
   管仲去りて九百年 楽毅滅びて四百年
   誰か王者の治を思ふ
   丞相病篤かりき
  
鳴呼南陽の旧草廬 二十余年のいにしへの
   夢 はたいかに安かりし 光を包み香をかくし
   隴畝に民と交はれば 王佐の才に富める身も
   ただ一曲の梁父吟
   閑雲野鶴空濶く 風に嘯く身はひとり
   月を湖上に砕きては ゆくへ波間の舟ひと葉
   ゆふべ暮鐘に誘はれて 問ふは山寺の松の風
   江山さむるあけぼのの 雪に驢を駆る道の上
   寒梅痩せて春早み 幽林影を穿つとき
   伴は野鳥の暮の歌 紫雲たなびく洞の中
   誰そや棊局の友の身は
   それ隆中の別天地 空のあなたを眺むれば
   大盗競ひはびこりて あらびて栄華さながらに
   風の枯葉を掃ふごと 治乱興亡おもほへば
   世は一局の棊なりけり
   其世を治め世を救ふ 経倫胸に溢るれど
   栄利を俗に求めねば 岡も臥龍の名を負ひつ
   乱れし世にも花は咲き 花また散りて春秋の
   遷りはここに二十七
   高眠遂に永からず 信義四海に溢れたる
   君が三たびの音づれを 背きはてめや知己の恩
   羽扇綸巾風軽き 姿は替へで立ちいづる
   草廬あしたのぬしやたれ
   古琴の友よさらばいざ 暁さむる西窓の
   残月の影よさらばいざ 白鶴帰れ嶺の松
   蒼猿眠れ谷の橋 岡も替へよや臥龍の名
   草廬あしたはぬしもなし
   成算胸に蔵まりて 乾坤ここに一局棊
   ただ掌上に指すがごと 三分の計 はや成れば
   見よ九天の雲は垂れ 四海の水は皆立ちて
   蛟龍飛びぬ淵の外
  
英才雲と群がれる 世も千仭の鳳高く
   翔くる雲井の伴やたそ 東新野の夏の草
   南瀘水の秋の波 戎馬関山いくとせか
   風塵暗きただなかに たてしいさをの数いかに
   江陵去りて行先は 武昌夏口の秋の陣
   一葉軽く棹さして 三寸の舌呉に説けば
   見よ大江の風狂ひ 焔乱れて姦雄の
   雄図砕けぬ波あらく
   剣閣天にそび入りて あらしは叫び雲は散り
   金鼓震ひて十万の 雄師は囲む成都城
   漢中尋で陥りて 三分の基はや固し
   定軍山の霧は晴れ 汚陽の渡り月は澄み
   赤符再び世に出でて 興るべりかりし漢の運
   天か股肱の命尽きて 襄陽遂に守りなく
   玉泉山の夕まぐれ 恨みは長し雲の色
   中原北に眺むれば 冕旒塵に汚されて
   炎精あはれ色も無し さらば漢家の一宗派
   わが君王をいただきて 踏ませまつらむ九五の位
   天の暦数ここにつぐ 時建安の二十六
   景星照りて錦江の 流に泛ぶ花の影
   花とこしへの春ならじ 夏の火峯の雲落ちて
   御林の陣を焚く掃ふ 四十余営のあといづこ
   雲雨荒台夢ならず 巫山のかたへ秋寒く
   名も白帝の城のうち 龍駕駐るいつまでか
   その三峽の道遠き 永安宮の夜の雨
   泣いて聞きけむ龍榻に 君がいまわのみことのり
   忍べば遠きいにしえの 三顧の知遇またここに
   重ねて篤き君の恩 諸王に父と拝されし
   思よいかに其宵の
   辺塞遠く雲分けて 瘴烟蛮雨ものすごき
   不毛の郷に攻め入れば 暗し瀘水の夜半の月
   妙算世にも比なき 智仁を兼ぬるほこさきに
   南蛮いくたび驚きて 君を崇めし「神なり」と
   其世を治め世を救ふ 経倫胸に溢るれど
   栄利を俗に求めねば 岡も臥龍の名を負ひつ
   乱れし世にも花は咲き 花また散りて春秋の
   遷りはここに二十七
   高眠遂に永からず 信義四海に溢れたる
   君が三たびの音づれを 背きはてめや知己の恩
   羽扇綸巾風軽き 姿は替へで立ちいづる
   草廬あしたのぬしやたれ
   古琴の友よさらばいざ 暁さむる西窓の
   残月の影よさらばいざ 白鶴帰れ嶺の松
   蒼猿眠れ谷の橋 岡も替へよや臥龍の名
   草廬あしたはぬしもなし
   成算胸に蔵まりて 乾坤ここに一局棊
   ただ掌上に指すがごと 三分の計 はや成れば
   見よ九天の雲は垂れ 四海の水は皆立ちて
   蛟龍飛びぬ淵の外
   花とこしへの春ならじ 夏の火峯の雲落ちて
   御林の陣を焚く掃ふ 四十余営のあといづこ
   雲雨荒台夢ならず 巫山のかたへ秋寒く
   名も白帝の城のうち 龍駕駐るいつまでか
   その三峽の道遠き 永安宮の夜の雨
   泣いて聞きけむ龍榻に 君がいまわ
   のみことのり
   忍べば遠きいにしえの 三顧の知遇またここに
   重ねて篤き君の恩 諸王に父と拝されし
   思よいかに其宵の
   辺塞遠く雲分けて 瘴烟蛮雨ものすごき
   不毛の郷に攻め入れば 暗し瀘水の夜半の月
   妙算世にも比なき 智仁を兼ぬるほこさきに
   南蛮いくたび驚きて 君を崇めし「神なり」と
  
南方すでに定まりて 兵は精しく糧は足る
   君王の志うけつぎて 姦を攘はん時は今
   江漢常武いにしへの ためしを今にここに見る
   建興五年あけの空 日は暖かに大旗の
   龍蛇も動く春の雲 馬は嘶き人勇む
   三軍の師隨へて 中原北に上りけり
   六たび祁山の嶺の上 風雲動き旗かへり
   天地もどよむ漢の軍 偏師節度を誤れる
   街亭の敗何かある 鯨鯢吼えて波怒り
   あらし狂うて草伏せば 王師十万秋高く
   武都陰平を平げて 立てり渭南の岸の上
   拒ぐはたそや敵の軍 かれ中原の一奇才
   韜略深く密ながら 君に向はんすべぞなき
   納めも受けむ贈られし 素衣巾幗のあなどりも
   陣を堅うし手を束ね 魏軍守りて打ち出でず
   鴻業果し収むべき その時天は貸さずして
   出師なかばに君病みぬ 三顧の遠いむかしより
   夢寐に忘れぬ君の恩 答て尽くすまごゝろを
   示すか吐ける紅血は 建興の十三秋なかば
   丞相病篤かりき
  
魏軍の営も音絶て 夜は静かなり五丈原
   たたずと思ふ今のまも 丹心国を忘られず
   病を扶け身を起し 臥帳掲げて立ちいづる
   夜半の大空雲もなし
   刀斗声無く露落ちて 旌旗は寒し風清し
   三軍ひとしく声呑みて つつしみ迎ふ大軍師
   羽扇綸巾膚寒み おもわやつれし病める身を
   知るや情の小夜あらし
   諸塁あまねく経廻りて 輪車静かにきしり行く
   星斗は開く天の陣 山河はつらぬ地の営所
   つるぎは光り影冴えて 結ぶに似たり夜半の霜
   嗚呼陣頭にあらわれて 敵とまた見ん時やいつ
   祁山の嶺に長駆して 心は勇む風の前
   王師ただちに北をさし 馬に河洛に飲まさむと
   願ひしそれもあだなりや 胸裏百万兵はあり
   帳下三千将足るも 彼れはた時をいかにせん
  
成敗遂に天の命 事あらかじめ図られず
   旧都再び駕を迎へ 麟台永く名を伝ふ
   春玉樓の花の色 いさをし成りて南陽に
   琴書をまたも友とせむ 望みは遂に空しきか
   君恩酬ふ身の一死 今更我を惜しまねど
   行末いかに漢の運 過ぎしを忍び後計る
   無限の思い無限の情 南成都の空いづこ
   玉塁今は秋更けて 錦江の水痩せぬべく
   鉄馬あらしに嘶きて 剣関の雲睡るべく
   明主の知遇身に受けて 三顧の恩にゆくりなく
   立ちも出でけむ旧草廬 嗚呼鳳遂に衰へて
   今に楚狂の歌もあれ 人生意気に感じては
   成否をたれかあげつらふ
   成否をたれかあげつらふ 一死尽くしし身の誠
   仰げば銀河影冴えて 無数の星斗光濃し
   照すやいなや英雄の 苦心孤忠の胸ひとつ
   其壮烈に感じては 鬼神も哭かむ秋の風
  
夫の残柳の恨訪へ 劫初このかた絶えまなき
   無限のあらし吹過ぎて 野は一叢の露深く/td>
   世は北邱の墓高く/td>
   蘭は砕けぬ露のもと 桂は折れぬ霜の前/td>
   霞に包む花の色 蜂蝶睡る草の蔭/td>
   色もにほひも消去りて 有情も同じ世々の秋/td>
   群雄次第に凋落し 雄図は鴻の去るに似て/td>
   山河幾とせ秋の色 栄華盛衰ことごとく/td>
   むなしき空に消行けば 世は一場の春の夢/td>
   撃たるるものも撃つものも 今更ここに見かえれば/td>
   共に夕の嶺の雲 風に乱れて散るがごと/td>
   蛮觸二邦角の上 蝸牛の譬おもほへば/td>
   世ゝの姿はこれなりき/td>
   金棺灰を葬りて 魚水の契り君王も/td>
   今泉台の夜の客 中原北を眺むれば/td>
   銅雀台の春の月 今は雲間のよその影/td>
   大江の南建業の 花の盛もいつまでか/td>
   五虎の将軍今いづこ 神機きほひし江南の/td>
   かれも英才いまいづこ 北の渭水の岸守る/td>
   仲達かれもいつまでか 聞けば魏軍の夜半の陣/td>
   一曲遠し悲茄の声/td>
   更に碧の空の上 静かにてらす星の色/td>
   かすけき光眺むれば 神秘は深し無象の世/td>
   あはれ無限の大うみに 溶くるうたかた其はては/td>
   いかなる岸に泛ぶらむ 千仭暗しわだつみの/td>
   底の白玉誰か得む、 幽渺境窮みなし/td>
   鬼神のあとを誰か見む/td>
   嗚呼五丈原秋の夜半 あらしは叫び露は泣き/td>
   銀漢清く星高く 神秘の色につつまれて/td>
   天地微かに光るとき 無量の思齎らして/td>
   「無限の淵」に立てる見よ 功名いづれ夢のあと/td>
   消えざるものはただ誠 心を尽し身を致し/td>
   成否を天に委ねては 魂遠く離れゆく/td>
   高き尊きたぐいなき 「悲運」を君よ天に謝せ/td>
   青史の照らし見るところ 管仲楽毅たそや彼/td>
   伊呂の伯仲眺むれば 「万古の霄の一羽毛」/td>
   千仭翔る鳳の影 草廬にありて龍と臥し/td>
   四海に出でて龍と飛ぶ 千載の末今も尚/td>
   名はかんばしき諸葛亮/td>

 

  則天行地
  作詞:大川周明

久遠の理想抱きつゝ 混濁の世にわれ立てば
   義憤に燃えて血潮沸く 嗚呼吾胸に漲るは
   天に則り王道を 地に行はむ志
  
権門上に傲れども 国を憂ふる誠なし
   大地震へど尚覚めず 白虹日をば貫けど
   点を畏るゝ心なく たゞ苟安をことゝせり
  
財閥富を誇れども 民を念ふの情けなし
   飢えに迫れる同胞は 国を呪ひてひたすらに
   乱を思へど顧みず たゞ貧婪の爪を研ぐ
  
正義に結ぶ益荒雄の 使命は重し混沌の
   国と民とを救ふべく 双刃の剣提げて
   吾等起たずば天照らす この日の本を如何せん

 

  民族の歌
  作詞:児玉誉士夫
  作曲:古賀  政男 

興亡常に定めなく 盛衰それも定めなし
   誇りぞ高し日ノ本の 栄えし時は幾歳ぞ
  
権勢上にはびこりて 暗雲国をおおうとき
   民に救いの光なく 世は混乱の闇となる
  
天にこだまし地をゆする 怒りをこめた民の声
   悪政にらむ銃口に 権力の座はくずれたり
  
昭和維新を目指しつつ 起ちし若人空しくも
   事成らず牢獄に 流す悲涙を君知るや
  
春雪深き山王の 杜にわき立つ鬨の声
   栄華の夢にふける身の 肺腑を抉ぐる響きあり
  
国を憂うる真心を 上に伝うるすべもなく
   受けし汚名は反乱の 賊とよばれる名は悲し
  
代々木原頭声絶えて 従容死につく大丈夫が
   「天皇陛下万歳」と 叫んだ願い忘れまい
  
昭和維新の雄叫びも 夜明けをまたず消え果てて
   世は権勢の専横に 明日を開く道もなし
  
戦火ひとたび雲を裂き 戦雲国を襲うとき
   誰か祖国を思わざる 誰か戦火を拒むべき
  
みじかき命知りながら 乙女の愛も受けずして
   祖国の難に赴ける 男児を誰か称えざる
  
十一 ガダルカナルや硫黄島  いくさ甲斐なき戦場に
   倒れし屍同胞の 声無き声を誰が聞く
  
十二 生きて帰らぬ強者が 死地に飛び立つ特攻機
   後に続くを信ずると 残せし言葉君知るや
  
十三 戦雲はれて敗残の 山河に空しい蝉時雨
   敵に降する屈辱の この日を誰が想うべき
  
十四 核の威力に勝利せる 勝者が振るうその鞭は
   神の裁きにあらずして 敗者を裁く事にあり
  
十五 勝者は永遠に勝者かや 敗者は永遠に敗者かや
   雲は流れて時は去り 再び仰ぐ国の旗
  
十六 民族の血を失いて 国の誇りは今いずこ
   悲しかららずやはためける その旗風に旗勢なし
  
十七 民族の自負今はなく 今日の栄えとその富は
   腐肉に集う者たちの 己を保つ栄光ぞ
  
十八 高楼天にそびえ立ち 大道国を貫けど
   国を憂いて立ちあがる 我が同胞は幾人ぞ
  
十九 赤旗の波叫喚に 国は嵐の中に立つ
   誰が祖国を憂えざる 国の未来を憂えざる
  
二十 聞け同胞よ若人よ 起て同胞よ若人よ
   後に続くを信ずるの かの雄叫びを想起せよ
  
二十一 正義のこぶし振り上げて 今ぞ大地の声を聞け
    汝の国土守れよと 大地の御霊は応うべし

         

  抜刀隊
  作詞:外山正一
  作曲:ルルー

吾は官軍我が敵は 天地容れざる朝敵ぞ
   敵の大将たる者は 古今無双の英雄で
   これに従うつわものは 共に慄悍(ひょうかん)決死の士
   鬼神に恥じぬ勇あるも 天の許さぬ反逆を
   起こせし者は昔より 栄えしためし有らざるぞ
   敵の亡ぶるそれ迄は 進めや進め諸共に
   玉散る剣(つるぎ)抜きつれて 死する覚悟で進むべし
  
皇国(みくに)の風(ふう)ともののふは その身を護る魂の
   維新このかた廃れたる 日本刀(やまとがたな)の今更に
   皇国(みくに)の風(ふう)ともののふは その身を護る魂の
   維新このかた廃れたる 日本刀(やまとがたな)の今更に
   また世に出ずる身のほまれ 敵も味方も諸共に
   刃(やいば)の下に死ぬべきぞ 大和魂あるものの
   死すべき時は今なるぞ 人に後(おく)れて恥かくな
   敵の亡ぶるそれ迄は  進めや進め諸共に
   玉散る剣(つるぎ)抜きつれて 死する覚悟で進むべし
  
前を望めば剣なり 右も左もみな剣
   剣の山に登らんは 未来のことと聞きつるに
   この世において目(ま)のあたり 剣の山に登らんは
   我が身のなせる罪業(ざいごう)を 滅ぼすために非(あら)ずして
   賊を征伐するがため 剣の山もなんのその
   敵の亡ぶるそれ迄は  進めや進め諸共に
   玉散る剣(つるぎ)抜きつれて  死する覚悟で進むべし
  
剣の光ひらめくは 雲間に見ゆる稲妻か
   四方(よも)に打ち出す砲声は 天にとどろく雷(いかずち)か
   敵の刃に伏す者や 弾に砕けて玉の緒の
   絶えて果敢(はか)なく失(う)する身の 屍(かばね)は積みて山をなし
   その血は流れて川をなす 死地に入るのも君のため
   敵の亡ぶるそれ迄は  進めや進め諸共に
   玉散る剣(つるぎ)抜きつれて 死する覚悟で進むべし
  
弾丸雨飛(うひ)の間にも 二つなき身を惜しまずに
   進む我が身は野嵐に 吹かれて消ゆる白露の
   果敢(はか)なき最期を遂ぐるとも 忠義のために死する身の
   死して甲斐あるものなれば 死ぬるも更にうらみなし
   われと思わん人たちは 一歩もあとへ引くなかれ
   敵の亡ぶるそれ迄は  進めや進め諸共に
   玉散る剣(つるぎ)抜きつれて 死する覚悟で進むべし

 

  嗚呼神風特別攻撃隊
  作詞:野村俊夫
  作曲:古関裕而

無念の歯がみこらえつつ 待ちに待ちたる決戦ぞ
  今こそ敵を屠らんと 奮い起ちたる若桜
 
この一戦に勝たざれば 祖国の往くていかならん
  撃滅せよの命うけし 神風特別攻撃隊
 
送るも往くも今生の 別れと知れどほほえみて
  爆音高く基地をける あゝ神鷲の肉弾行
 
大義の血潮雲そめて 必死必中体当り
  敵艦などて逃すべき 見よや不滅の大戦果
 
凱歌はたかく轟けど 今はかえらぬ丈夫よ
  千尋の海に沈みつつ なおも皇国の護り神
 
熱涙伝う顔あげて 勲をしのぶ国の民
  永久に忘れじその名こそ 神風特別攻撃隊
  神風特別攻撃隊

 

  突撃ラッパ鳴り渡る(一億総蹶起の歌)
作詞:勝 承夫
作曲:古関裕而

勝って逢おうと 誓って征った 友の襟が 目にしみる
   俺も名もある あの旗を 踏みにじらせて なるものか
   止むに止まれぬ 総蹶起 突撃ラッパだ どんとゆけ
  
祖先以来の 日本刀が 切って捨てよと 叫ぶのだ
   迫る鬼畜の米英を 太平洋に叩き込め 止むに止まれぬ 総蹶起
   突撃ラッパだ どんとゆけ
  
俺の覚悟は 日の丸たすき きっと守るぞ この職場
   数をたのんで 来るならば 数でも勝とう 大和魂
   止むに止まれぬ 総蹶起 突撃ラッパだ どんとゆけ

 

  憲法改正の歌
  作詞:中曾根康弘

鳴呼(ああ)戦(たたか)いに打ち破れ 敵の軍隊進駐す
   和民主の名の下に 占領憲法強制し
   祖国の解体計りたり 時は終戦6ヶ月
  
占領軍は命令す 若(も)しこの憲法用いずば
   天皇の地位請け合わず 涙をのんで国民は
   国の前途を憂(うれ)いつつ マック憲法迎えたり
  
10年の時は永くして 自由は今や還りたり
   我が憲法を打ち立てて 国の礎(いしずえ)築くべき
   歴史の責を果たさんと 決意は胸に満ち満てり
  
国を愛す真心を 自らたてて守るべき
   自由と平和民主をば 我が憲法に刻むべき
   原子時代に遅れざる 国の理想を刻まばや
  
この憲法のある限り 無条件降伏つづくなり
   マック憲法守れるは マ元帥の下僕(げぼく)なり
   祖国の運命拓(ひら)く者 興国(こうこく)の意気挙(あ)げなばや

 

  君が代

君が代は  千代に八千代に
さざれ石の  いわおとなりて
こけのむすまで

国旗及び国歌に関する法律・第二条で「国歌は、君が代とする」とし、
歌詞は、一番のみが正式制定されている
過去には。2番、3番、4番までの歌詞がある時代もあった。
(2番は源頼政、3番は藤原俊成、4番は大江匡房の和歌)

君が代は  千尋の底の  細石の  鵜のゐる磯と  あらはるるまで
君が代は  千代ともささじ  天の戸や  いづる月日の  かぎりなければ
君が代は  久しかるべし  わたらひや  いすゞの川の  流たえせで

 

  君が代行進曲

君が代は  千代に八千代に
   細石(さざれいし)の  巖(いはほ)となりて
   苔の生(む)すまで
  
來れや來れやいざ來れ  皇國(みくに)を守れや諸共(もろとも)に
   寄せ來る敵は多くとも  恐るる勿(なか)れ怖るるな
   死すとも退く事勿れ
  
君が代は  千尋(ちひろ)の底の
   細石の  鵜のゐる磯と
   現(あらは)るゝまで

 

  元寇
  作詞・作曲:永井建子

一、(鎌倉男児)
四百余州(しひゃくよしゅう)を挙(こぞ)る 十万余騎の敵
国難ここに見る 弘安四年夏の頃
なんぞ怖れんわれに 鎌倉男児あり
正義武断の名 一喝して世に示す
  
二、(多々良浜)
多々良浜辺の戎夷(えみし そは何 蒙古勢
傲慢無礼もの 倶(とも)に天を戴かず
いでや進みて忠義に 鍛えし我が腕(かいな)
ここぞ国のため 日本刀を試しみん
  
三、(筑紫の海)
こころ筑紫の海に 浪おしわけてゆく
ますら猛夫(たけお)の身 仇(あだ)を討ち帰らず
死して護国の鬼と 誓いし箱崎の
神ぞ知ろし召す 大和魂(やまとだま)いさぎよし
  
四、(玄海灘)
天は怒りて海は 逆巻く大浪に
国に仇をなす 十余万の蒙古勢は
底の藻屑と消えて 残るは唯三人(ただみたり)
いつしか雲はれて 玄界灘 月清し

 

  桜井の訣別
  作詞:落合直文・作曲:奥山朝恭

桜井の訣別
青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ
木(こ)の下陰に駒とめて 世の行く末をつくづくと
忍ぶ鎧(よろい)の袖の上(え)に 散るは涙かはた露か
  
正成(まさしげ)涙を打ち払い 我が子正行(まさつら)呼び寄せて
父は兵庫に赴かん 彼方(かなた)の浦にて討ち死にせん
汝(いまし)はここまで来つれども とくとく帰れ故郷へ
  
父上いかにのたもうも 見捨てまつりてわれ一人
いかで帰らん帰られん この正行は年こそは
未だ若けれ諸(もろ)ともに 御供(おんとも)仕えん死出の旅
  
汝をここより帰さんは 我が私の為ならず
おのれ討死為さんには 世は尊氏の儘(まま)ならん
早く生い立ち大君(おおきみに) 仕えまつれよ国の為
  
この一刀(ひとふり)は住(い)にし年 君の賜いしものなるぞ
この世の別れの形見にと 汝(いまし)にこれを贈りてん
行けよ正行故郷へ 老いたる母の待ちまさん
  
共に見送り見返りて 別れを惜しむ折からに
またも降りくる五月雨の 大空に聞こゆる時鳥(ほととぎす)
誰か哀れと聞かざらん あわれ血に泣くその声を
  
敵軍襲来
遠く沖べを見渡せば 浮かべる舟のその数は
幾千万とも白波の 此方(こなた)をさして寄せて来ぬ
陸(くが)はいかにと眺むれば 味方は早くも破られて
  
湊川の奮戦
須磨と明石の浦づたい 敵の旗のみ打ちなびく
吹く松風か白波か よせくる波か松風か
響き響きて聞ゆなり つづみの音に閧(とき)の声
  
いかに正季(まさすえ)われわれの 命捨つべき時は来ぬ
死す時死なでながらえば 死するに勝る恥あらん
太刀の折れなんそれまでは 敵のことごと一方(かたえ)より
  
斬りすてなん屠(ほう)りてん 進めすすめと言い言いて
駆け入るさまの勇ましや 右より敵の寄せくるは/td>
左の方(かた)へと薙(な)ぎ払い 左の方より寄せくるは
  
十一
右の方へと薙ぎ払う 前よりよするその敵は
後ろよりするその敵も 見ては遁(のが)さじ遁さじと
奮いたたかう右ひだり とびくる矢数は雨あられ
  
十二
君の御為(みため)と昨日今日 数多の敵に当りしが
時いたらぬをいかにせん 心ばかりははやれども
刃(やいば)は折れぬ矢はつきぬ 馬もたおれぬ兵士(つわもの)も
  
十三
かしこの家にたどりゆき 共に腹をば切りなんと
刀を杖に立ちあがる 身には数多の痛矢串(いたやぐし)
戸をおしあけて内に入り 共に鎧の紐とけば
  
十四
緋おどしならぬくれないの 血潮したたる小手の上
心残りはあらずやと 兄のことばに弟は
これみなかねての覚悟なり 何か嘆かん今さらに
  
十五
さはいえ悔し願わくは 七度(ななたび)この世に生まれ来て
憎き敵をば滅ぼさん さなりさなりとうなづきて
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

昭和維新の歌    星落秋風五丈原    則天行地

 

五箇条の御誓文・等